2025年12月6日公開のインディーズSF映画『ブラックホールに願いを!』。
人工ブラックホールと時間犯罪っていう壮大な設定に、「場面緘黙症の主人公が世界を救う」というちょっと意外すぎる切り口。
この記事では、Filmarks・映画.comなどのリアルな感想を元に、この映画の魅力とクセ、そして観るべき人のタイプまでを徹底解説していきます!
- ✔ 『ブラックホールに願いを!』のリアルな感想・評価の傾向がわかる
- ✔ 主人公・伊勢田みゆきの“声が出せない”症状と物語の深い関係性
- ✔ ボブル空間とアナログ特撮による時間表現の仕掛け
- ✔ 鳥居みゆき演じる赤城教授の異彩と狂気に満ちた存在感
- ✔ この映画を観るべき人のタイプと刺さるポイント
目次[閉じる]
映画 ブラックホールに願いを!の評価は?感想を総まとめ
2025年12月に公開された話題のSF映画『ブラックホールに願いを!』。
インディーズ映画ながら、SNSや映画レビューサイトで結構話題になってるんですよね。
でも実際のところ「面白かった!」っていう人もいれば、「うーん…」って反応の人もいて、賛否がかなり分かれてる作品でもあります。
Filmarksでは好意的な声多数、平均★3.6の満足度
映画ファンが集まるレビューサイト「Filmarks」では、22件のレビューが投稿され、平均スコアは★3.6と、インディーズ映画としてはかなり健闘している印象。
「奇想天外な設定なのに、泣かされた」、「特撮の完成度が想像以上だった」っていう声も多く、初日舞台挨拶付き上映は満席だったそうです。
ちなみに、特撮の質の高さを5点満点で評価する声もあり、「インディーズ映画とは思えない」とまで絶賛する人も。
映画.comでは辛口意見も目立つが、見どころは明確
一方で、映画.comでは平均評価が1.8とかなり辛口な印象。
「設定が詰め込みすぎ」「テンポが悪くて退屈」「脚本がチグハグ」っていうレビューも多かったんだけど、このあたりは好みの問題って感じもあるかも。
面白いのは、昭和特撮っぽさを期待して観た人が「もっとシンプルにしてくれたら良かったのに…」って言ってたりしてて、視聴者の前提次第で評価が変わる作品なんですよね。
観客の声:「冗長」「感情移入できない」から「涙腺崩壊」まで
観客の感想は、ほんとに振れ幅が大きい。
「とにかく感情移入できなかった」「主人公に共感できない」という人もいれば、
「ボロ泣きした」「人生のタイミングによって刺さる映画」ってコメントしてる人もいて、
観る人の人生経験とか精神状態によって、受け取り方がめちゃくちゃ変わる映画ってことは間違いなさそう。
「理解できなかった=駄作」とするのか、「難しいけど刺さる」と感じるか、これは完全に好みの問題かなと。
緊張で話せない主人公が挑む、静かな闘いと世界の危機
本作の主人公・伊勢田みゆきが抱えるのは、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)という症状。
簡単に言うと、緊張や不安で声が出なくなっちゃう障害なんだけど、これを主人公に据えたSF映画ってなかなかないんですよね。
世界の終わりが迫る中で、自分自身とも向き合う──そんな内なる葛藤が、この映画をただのパニックものじゃなくて“成長譚”にしているんです。
場面緘黙症という設定がもたらすリアリティ
この症状、メンタル系の疾患として実在するもので、子どもに多いイメージですが、大人でも続く人もいます。
伊勢田みゆき(演:米澤成美)は、人工縮退研究所という未来の科学機関の職員だけど、声が出せないからこその“非戦闘員”ポジション。
でも、その彼女が物語の中心で動くことになるのが、またグッとくるんです。
特に、何度もセリフを練習するシーンや、本棚に並ぶ自己啓発・コミュニケーション関連の本には、涙腺がゆるみそうになりました。
話せないことって、ただの“設定”として使われがちだけど、本作ではそこに人生レベルのリアリティがある。
伊勢田みゆきの成長が描く“もう一つの主人公ストーリー”
最初は何もできない立場だった彼女が、世界崩壊の危機に直面して、少しずつ声を出そうとする。
そして、他者と関わる中で成長していく姿は、“誰もが抱える見えない壁”とリンクしていて、すごく共感しやすいんです。
見えないボブル空間=世界の壁と、話せない自分=心の壁が対比構造になってて、映画のメタファーとして超うまく効いてる。
あと、彼女が助けようとするもう一人の重要人物、吉住あおい(演:吉見茉莉奈)との関係も熱い。
対話できない二人が、どうやって絆を深めていくのか、そこにも注目してほしい。
「一見、何の変哲もないように見えるものが、きっとどこかで光輝くことがあると思いますよ」っていうセリフが、本当に沁みた。
“ボブル空間”とは?独自の時間描写と特撮演出が話題
本作最大のキーワード「ボブル空間」って聞いて、ピンと来る人は少ないかもしれません。
でもこれ、観てみるとめちゃくちゃ面白いアイデアで、時間の流れが極端に遅くなる特殊空間のことなんですよ。
ただのCGじゃなくて、実写とミニチュア、針金やロッドパペットを駆使して表現されていて、観てるこっちが思わず息を呑むほどリアル。
ロッドパペットや針金で実現した時間停止表現
まず驚いたのが、CGを最小限にして、手作業中心で「時間が止まってる世界」を再現してるところ。
落ちかけたスマホ、浮かんだままのプリント、止まった噴水とか、ひとつひとつの描写が「え、これ本当に止まってるの?」ってレベル。
特撮監督・青井泰輔さんのこだわりがめっちゃ出てて、ロッドパペットでペンをゆっくり落としたり、静止物体を針金で固定したりと、すごく地道な撮影がされてるんですよ。
これって今どき珍しい「アナログ特撮」への愛が感じられて、個人的に超ツボでした。
ミニチュア破壊シーンに漂う“哀しみ”の美学
都市の破壊シーンも、ミニチュアで超スローモーション撮影っていう昔ながらの手法を使ってて、破壊の瞬間をゆっくりと、まるで時が止まったかのように見せるんです。
しかも、ただ派手に壊すんじゃなくて、“壊れていく哀しみ”を見せるって感じがあって、かなりセンチメンタル。
スクリーン越しに「時間ってこういう風に感じられるんだな…」って思わされました。
観客の脳内の時間感覚をズラすような演出で、普通のSFとはちょっと違う、“触れられそうな時間”のリアルさを体験できます。
こういうのがあるから、この映画、ただの特撮映画じゃないんですよ。
鳥居みゆき演じる赤城教授の狂気が物語を動かす
この映画の中で最も強烈なキャラクターといえば、間違いなく赤城容子教授です。
演じているのは、お笑い芸人としても独自の存在感を放つ鳥居みゆき。
彼女のキャスティングが、物語にとんでもないエネルギーを注ぎ込んでて、マジでスクリーンが爆発しそうでした。
「アベンジャーズ」語りながらの破滅宣言が異彩を放つ
赤城教授は、人工ブラックホールによる時間犯罪を予告する張本人。
しかもその動機は、ちょっと理解不能な狂気と哀しみのミックスなんですよ。
「アベンジャーズってさぁ…」なんて雑談を交えながら、人類への復讐を語る姿が、マジで怖くて笑える、というか「やばい」って感覚。
ハーレイ・クインのようなビジュアルと、予測不能なテンションが、映画全体の緊張感を底上げしてるのは間違いなし。
こういう破天荒なキャラって、作品によっては浮いちゃうこともあるんだけど、本作では完全に“芯”になってるんですよね。
哀しみと狂気の境界線を描くキャスティングの妙
この赤城教授の狂気が、実はただの悪じゃないってところも深い。
彼女の行動の裏には、自分も何かに救われたかったのかもしれない、そんな切なさが見え隠れしてる。
世界を滅ぼすほどの孤独や絶望っていうテーマが、鳥居みゆきの演技で一気に“実在感”を帯びてくるのがすごいんです。
本来はコメディアンの彼女が、ここまで抑制と爆発のバランスを取った演技をしてるの、めちゃくちゃ見応えあります。
キャスティングの妙ってこういうことか…と納得するはず。
SF×ヒューマンドラマが融合したインディーズ映画の挑戦
『ブラックホールに願いを!』って、パッと見はSFで特撮っぽいけど、観てみると内面ドラマの比重がめちゃくちゃ高いんですよ。
宇宙とか物理とか壮大なテーマを扱いながらも、実際には「どうやって他人と心を通わせるか」みたいな、めちゃくちゃ人間くさい物語になってるんです。
インディーズ映画ならではの実験的挑戦が詰まってて、ここが本作の大きな魅力です。
“CG頼りにしない”アナログ特撮へのリスペクト
今の時代、正直SFって言ったらCGありきなところあるけど、この映画はそこを真逆に攻めてます。
ミニチュアや実際の物理現象を駆使した撮影にこだわりまくってて、実写としての“重み”がちゃんと伝わってくるんですよね。
加速器や研究施設のロケもリアルで、現場の温度感や質感がスクリーンからじんわり伝わるのが良かった。
「物語だけじゃなくて“映像体験”として新しい」っていう声があるのも納得。
これ、昭和特撮やシン・ゴジラ的演出が好きな人にはぶっ刺さるはず。
特撮と内面描写、どちらに比重があるかで評価が分かれる
ただし、ここは正直に言います。
「派手なSFを期待してた人」には物足りなく感じる可能性アリ。
本作はあくまで、静かな人間ドラマを“SFで包んだ”作品なんですよ。
逆に言うと、人間の弱さや孤独と向き合う物語が好きな人にはたまらない内容です。
実際、レビューでも「設定詰め込みすぎ」「まとまりに欠ける」といった声がありつつ、「人生のタイミングによって刺さる作品」っていう評価もありました。
映像で魅せるタイプじゃなく、感情で持っていくタイプのSFって感じかな。
なので、“心に残る映画”を探してる人にはおすすめしたいです。
映画 ブラックホールに願いを!を観るべき人とは?
正直、この映画は万人ウケするタイプではないです。
でも、ハマる人にはドハマりする。
だからこそ「どんな人が観たら刺さるのか?」っていう視点で整理してみました。
人間の孤独と再生に感動したい人に
まず絶対におすすめしたいのは、“人と人との距離感”に悩んでる人。
場面緘黙症の主人公・伊勢田みゆきが、自分の中の壁を超えようとする姿は、人と向き合う勇気をもらえる内容になってます。
「話したいのに話せない」「伝えたいのに伝えられない」っていう経験がある人なら、きっと何かを感じられるはず。
あと、「誰かと時間を共有することの尊さ」がテーマにもなっていて、観終わった後、誰かに連絡したくなるような気持ちになります。
昭和特撮・SF好きには刺さるポイント多数
特撮的な部分にもちゃんと魅力が詰まってます。
ミニチュアの破壊描写、手作り感満載の“時間停止演出”、そして非CGなアプローチ。
こういった演出にワクワクできる人は、確実に楽しめるはず。
ウルトラセブンっぽいカット割りや、特撮ヒーローのオマージュ感もあって、「あ、わかってるな」ってニヤリとできるポイントが随所にあります。
逆に言えば、「最先端CGのド派手なSF」を期待してる人には、方向性がちょっと違うかもしれません。
でもそこがいい!という人には、本作はまさに宝石の原石。
映画 ブラックホールに願いを! 感想レビューのまとめ
『ブラックホールに願いを!』は、評価が割れるタイプの映画ですが、それこそが作品の個性でもあります。
レビューを見れば見るほど、賛否両論がはっきりしてるのは間違いないけど、それってむしろ本当に尖った作品の証拠。
中身はちょっと難解なSF、だけど熱量と人間性にあふれた、作り手の本気が伝わる映画でした。
独創的だが賛否両論、ただし挑戦する姿勢は本物
正直、「説明不足」「構成が雑」と感じる人もいると思う。
でも、それを補って余りあるのが、特撮への愛と、映像に込められた試行錯誤の跡。
インディーズ映画って、こういう“挑戦するエネルギー”が命だったりするんですよね。
鳥居みゆきの怪演、米澤成美と吉見茉莉奈の若手W主演、設定とテーマのぶつかり合い──この全部がぶつかり合ってるからこそ、刺さる人にはグサッと来る。
好みは分かれて当然。むしろそこを楽しんでほしいです。
鑑賞後に「誰かと時間を共有する意味」を考えたくなる作品
最終的に、この映画が問いかけてくるのは、「私たちは、ひとりでは生きていけない」ってこと。
どれだけ技術が進化して、宇宙や時間を操れるようになっても、人と人が共に時間を過ごす価値って変わらないんだなって。
これ、SFっていう“非現実”を通して、超リアルな感情を描いた作品だと思います。
見終わったあと、静かに心が熱くなる──そんな映画でした。
- ★ 『ブラックホールに願いを!』はSFと人間ドラマが融合したインディーズ映画
- ★ 主人公が抱える場面緘黙症がストーリーの鍵として描かれる
- ★ CGに頼らずアナログ特撮で“止まった時間”をリアルに演出
- ★ 鳥居みゆき演じる赤城教授の狂気と哀しみが物語に深みを与える
- ★ 観る人の価値観によって評価が大きく分かれる尖った作品
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